【全ての加工食品が対象に!】加工食品の原材料産地表示の見方とは

栄養コラム

平成29年9月1日より、食品の表示が変わりました。
その中でも大きかったのは、「原材料の産地」の表示。
なんと全ての加工食品が対象となりました!
なんでこれまで一部だったんだよ!という思いもありますが置いておいて、原材料表示の見方について説明します。

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原材料表示とは

ざっくりいうと、ある条件にある加工食品の原材料の産地を表示しましょうというものです

野菜などの生鮮食品には産地の表示義務があったりします。
皆さんがスーパーマーケットで見る野菜は、必ず産地が書かれていると思います。
ですが、その野菜が加工食品の一部になってしまうと、「ある条件」に当てはまらない場合は産地表示は不要となってしまっていました。

これまでの原材料表示

これまでも原材料表示の義務がある加工食品はありましたが、ごく一部に限られており、その中で更に条件がありました。

以下の①~㉒の加工食品については、製品に占める重量の割合が50%以上である場合は「国産」もしくは「原産国名」を記入しなければいけませんでした。
また、㉓~㉖の加工食品は重量割合に関係なく、原産地表示が必要です。

22食品群
① 乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実
② 塩蔵したきのこ類、塩蔵野菜及び塩蔵果実
③ ゆで、又は蒸したきのこ類、野菜及び豆類並びにあん
④ 異種咬合したカット野菜、異種混合したカット果実その他野菜、果実及びきのこ類を異種混合したもの
⑤ 緑茶及び緑茶飲料
⑥ もち
⑦ いりさや落花生、いり落花生、あげ落花生及びいり豆類
⑧ 黒糖及び黒糖加工品
⑨ こんにゃく
⑩ 調味した食肉
⑪ ゆで、又は蒸した食肉及び食用鳥卵
⑫ 表面をあぶった食肉
⑬ フライ種として衣を付けた食肉
⑭ 合いびき肉その他異種混合した食肉
⑮ 素干魚介類、塩干魚介類、煮干魚介類及びこんぶ、干のり、焼きのりその他干した海藻類
⑯ 塩蔵魚介類及び塩蔵海藻類
⑰ 調味した魚介類及び海藻類
⑱ こんぶ巻
⑲ ゆで、又は蒸した魚介類及び海藻類
⑳ 表面をあぶった魚介類
㉑ フライ種として衣をつけた魚介類
㉒ ④又は⑭にあげるもののほか、生鮮食品を異種混合したもの
個別に定めた4品目
㉓ 農産物漬物
㉔ 野菜冷凍食品
㉕ うなぎ加工品
㉖ かつお削りぶし

引用 : http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/quality/country_of_origin/pdf/country_of_origin_171027_0002.pdf

生鮮食品に近いような加工品が多いですね。
逆に言えば、この26品目に当てはまらない加工品は原産地表示は義務ではありませんでした。

表示方法は、原則「国別重量順表示」という表示方法でした。
表示法についてはこの先で説明します。

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平成29年9月1日からの変更点

全ての加工食品が対象に

ところが、平成29年9月に食品表示基準が改正されました。
これにより、 国内で製造された全ての 加工食品は、一番多い原材料の産地を表示しなくてはいけなくなりました。

消費者にとっては、産地情報が得られた状態で商品を選択することができるメリットがあります。
逆に生産者にとっては、これまで外国産を使っていたけれど、表示されてしまうとブランドイメージに関わることもあるので、原材料の産地を変えなくては...ということもおこり得ます。

ちなみに、原材料が複数の場合でも、表示義務があるのは含有量が一番多い原材料のみです
二番目以降に含まれている原材料に産地表示義務はありません。表示されているとしたらメーカー側の努力によるものです。
※漬物の場合は別で、農産物や水産物が複数含まれている漬物では、上位3~4位くらいまでの原材料は産地表示義務があったりします。

個別四品目に追加

個別4品目(㉒~㉖)に「おにぎりののり」が加わり、個別5品目となりました。
22食品群と個別5品目は、現行通り国別重量順表示となります。

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原材料が加工品の場合は製造地表示

原材料が野菜などの生鮮品だけとは限りません。
すでに加工された食品を主な原材料として加工食品を作る場合、その加工食品を製造した国を「製造地」として表示しなくてはならなくなりました。

対象外の加工食品

基本的には国内で製造又は加工された全ての加工食品が対象の原料原産地表示ですが、一部対象から除かれるものがあります。
「表示を要しないもの」と「表示を省略することができるもの」の2種類です。
「表示を要しないもの」の代表例は加工食品を設備を設けて飲食させる場合、いわゆる外食店などです。そもそも表示が必要なかったり、容器包装が必要ない場合がここに入ります。
「表示を省略することができるもの」は、容器包装の表示可能面積がとっても小さい場合です。おおむね3cm2以下の場合は、表示省略が許可されるようです。

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表示方法

これまで、「国別重量表示法」のみでしたが、他の表示法も場合によっては認められるようになりました。
以下で説明します。

表示方法

これまで漬物などで見たことがある人は見慣れた表記かもしれませんが、現残地は裏面の原材料名のところに書かれます。

国別重量順表示

一番多い原材料が生鮮食品の場合の表示方法です。

産地が一つの場合、「○○産」
二つの場合、重量が多い順に「〇〇産、△△産」
三つ以上の場合、重量が多い順に「〇〇産、△△産、その他」と表示します。
三つ以上の産地がある場合は、三か国目以降は「その他」とまとめることができます。

製造地表示

一番多い原材料が加工食品の場合の表示方法です。
生鮮食品と異なり、加工食品はどこかで何らかの原材料によって既に作りだされているものです。
そのため、「原材料となっている加工食品の製造地」を表示しなくてはなりません。
「ハム(〇〇製造)」というように、表示します。
製造地が2か国以上の場合は、国別重量順表示と同様に重量が多い順に並べます。

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又は表示

二か国以上の原材料を使用する可能性がある場合の表示方法です。
過去の実績をもとに、使用する可能性の高い順に「又は」を間に入れて表示します。
原材料の産地って、季節によって変動したりします。
しかし、食品のパッケージって、たくさんの枚数で発注しており、バーコード等に含まれる情報変更も必要な場合もあり、そう簡単に作りかえられません。
原材料の一部が変わってしまっただけで、それだけのパッケージのロスと手間をかけていたら大変!ということで、使用する可能性のある産地を「〇〇産又は△△産」というように表記することができます。
ちなみにここでも重量順ですので、「〇〇産のほうが△△産よりも多く使われている」という情報も消費者に伝わります。

大括り表示

ホーム

ちょっと特殊なパターンで、三か国以上の海外原材料を使い、重量順がよく変わったり、産地がバンバン切り替わる可能性がある場合、「輸入」とざっくりまとめて表示することができます。
先ほどの「又は表示」の上をいく感じですね。
この場合、消費者が得られる情報は「原材料が輸入品かどうか」ということのみになります。

「又は表示」と「大括り表示」の併用

国内海外色々な原材料を使う可能性があるよ!という加工食品の原材料に使われる表示です。
「国産または輸入」のように使われます。
消費者としては「色々な産地の原材料を使っているけれど、国産の使用割合がこれまでの実績としては輸入合計よりも多いんだな」ということが分かります。

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輸入加工食品の原材料表示は?

残念ながら、海外で製造されて輸入された「輸入加工食品」は原材料産地の表示義務の対象外です。あくまで国内で製造された加工食品のみのためのルールです。
しかし、輸入される加工食品はもともと、どこの国の向上で製造されているかという「原産国名」が表記されています。
国内製造の加工品は「産地表示」、国外製造の加工品は「原産国名」が書かれているということになります。

今はまだ経過措置期間中

そうはいっても、「ハイ、平成29年9月1日から全てパッケージはかえること!」というのでは食品メーカーも対応が間に合わないため、現在は経過措置期間中で、まだ表示が整っていない場合もあります。
期限は平成34年3月31日までです。
それまでにすべての国産加工食品の一番多い原材料の産地表示が必須となります。

まとめ

ここのところ、食品の表示についての動きが大きいですね。
食品の表示については根拠となる法律が複数あり、それらを統一したり、消費者にとってわかりやすくするために変更が進んでいます。
しばらくの間は、経過措置期間もありますので、その間にメーカー側も消費者側も慣れていきたいですね。

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