
こんばんは、スズヤマです。
いよいよ、12月。
管理栄養士国家試験受験者の方々は年末年始でがっつり勉強予定でしょうか?
もしかしたら、そろそろ再来年度の受験に向けて、このページにたどり着いた方もいるかもしれません。
このページでは、管理栄養士国家試験の難易度や独学で勉強可能か等を紹介します。
国家試験の詳細を知りたい方、勉強方法を知りたい方は以下のページも参考にしてください。
難易度、合格率は?
表の通り、管理栄養士国家試験の合格率は近年あがってきており、40~50%くらいなことが多いです。
それでも、薬剤師合格率が60~70%、看護師が90%前後のことを考えると、他の医療系国家試験のメジャーどころと比べると、合格率は低めです。
じゃあ、難易度が高いのか、試験がすごく難しいのかと言われると一概にそういうわけではありません。その理由は既卒受験者が多いことが関係しています。
合格率は新卒か既卒かで大きく違う管理栄養士国家試験
管理栄養士国家試験の合格率
管理栄養士国家試験は、既卒が新卒かで合格率が大きく違います。
新卒 | 既卒 (管理栄養士課程) | 既卒 (栄養士課程) | 全体 | |
2017年 | 92.4% | 18.4% | 19.3% | 54.6% |
新卒ですと90%前後ですが、既卒では栄養士養成校、管理栄養士養成校出身者とも20%前後です。
前回の第31回管理栄養士国家試験に至っては10%台まで落ちてしまいました。
薬剤師・看護師の合格率
では、先ほどあげた薬剤師、看護師の場合の表と比較してみましょう。
新卒 | 既卒 | 全体 | |
管理栄養士 | 92.4% | 18.4%(管理)、19.3%(栄養士) | 54.6% |
薬剤師 | 85.1% | 49.0% | 71.6% |
看護師 | 94.3% | 35.6% | 88.5% |
薬剤師、看護師とも新卒と既卒で合格率は異なりますが、管理栄養士ほど大きな開きになっていません。
新卒だけで比較すれば、薬剤師がやや合格率が低めですが、管理栄養士は看護師とほぼ同じくらいの合格率です。
つまり、管理栄養士国家試験は、他の医療系資格と比べて、既卒での合格率が非常に低いのが特徴です。
なぜ管理栄養士は既卒は合格率が低い?
なんでかっていうと、やっぱり働きながら勉強することが大変、ということだと思います。
勤め先によっては初年度から責任者の立場を任されることもある栄養士職。職場に入ってから学ぶことも多く、なかなか時間がつくれないことがあると思います。
しかし、何よりの原因は「落ちたからといって失うものがない」という点です。
これは勉強のモチベーションに直結します。
管理栄養士養成校を既卒で国家試験を受ける人って、たいてい栄養士業務に関わらず就職した人な気がします。
そういう人は、別に落ちても現職に影響はありませんし、受かったところで給料があがるわけではありません。
そうなると、当然目の前の仕事だったり、プライベートなりが優先されがちになります。
栄養士養成校を既卒で、実務経験を積んで満を持して国家試験を受ける人も同様です。
管理栄養士を取得すれば、現職の給料があがったり、転職を考えられたりとメリットも多く、合格したい気持ちはきっと強くあると思うのですが、じゃあいざ残業増し増し、睡眠時間か勉強時間かってなった時、「別に落ちても現職を辞めさせられるわけじゃないしな」となったら、たぶん睡眠時間をとってしまうと思います。
一方で、薬学部や看護学部を落ちた人って割とクリティカルなんだと思います。
特に看護学部は卒業後の進路のほとんどが看護師だったりします。落ちてしまった人は看護助手として内定先においてもらうパターンもあるそうですが、これだと給料が格段に下がります。
薬学部は既卒でも大学院に進学している人の割合も多いため、勉強の時間が確保しやすい点もあるかもしれません。
合格率としては低くても、きちんとモチベーションを保って勉強すれば、管理栄養士国家試験の難易度は薬剤師よりも低いと思います。
必要勉強時間は?
勉強時間の目安は200~300時間だと思います。
学部生時代の自分の経験や、周りの勉強時間を見ていると合格している人はだいたいこのくらいやっていました。
一日2時間なら100~150日、3ヶ月~5ヶ月くらいですね。
私は四年制の管理栄養士養成校に在籍中に国家試験を受けましたが、勉強を本格的に開始したのは4年次の夏休みでした。
でも、全然やる気がでなくて、一週間に5時間はやっていなかたっと思います。
そんな日々が続いて、年末年始にまずい!と思い、一日6時間くらい勉強をし、クエッチョンバンクを1周終わらせ一安心。
いや、正確にはわからなすぎて安心できませんでしたが。
1月~2月中旬までは卒論ばかりで、不安は募るが手を付けず、卒論のめどがたったところでこれは笑えない!と再び1日6時間勉強するという、学生の間しかできないような勉強法をしていました。
だから、新卒の合格率って高いんだと思います。
本当にコツコツ勉強して合格をつかむ人ってどれだけすごいか。
結果的に私は200時間くらいの勉強でしたが、クエッチョンバンクを3回通り解くことができ、どうにか自信がついて状態で試験を受けることができました。
友人たちはみな、4年次にはいったくらいからコツコツ勉強し、夏か秋くらいの模擬試験で合格ラインにのせて、あとはひたすら過去問を解く、みたいな感じでやっていました。
そうすると私みたいに1日の勉強時間を増やすことなく、1~2時間の勉強+休日数時間でなんとかなるそうです。
いやーみんなすごい。
ちなみに私は1回も模擬試験で合格ラインを出すことができず、毎度呼び出されていましたが、短期間でも必要な勉強をすれば合格することができました。
学生の方で、まだ勉強してないし、卒論もあるし、これまで模試も散々だし、就職は栄養士以外だしもういいやと思っている人は、少しでも時間を見つけてあきらめずに勉強してください。
管理栄養士免許は、今のところ一度取得すれば更新なしでずっと持つことができます。
今は予定がなくても、その資格がいつ生きるかわかりません。
やっぱり勉強しないと点数はでないです。でも勉強したらしただけ、点数は答えてくれます。
どうか私みたいに自分を甘やかさず、合格に向けてこつこつやってください。
独学でも合格できる?
受験資格さえあれば、独学でも十分合格は可能です。
受験資格ってなんぞ?って方は以下を参考にしてください。
そもそも、一番合格率のいい管理栄養士養成校の新卒の人で、通信教育やら予備校やらに通っている人ってあまり聞いたことはなく、せいぜいがわからないところを教員に聞くくらいです。結局は勉強時間に比例するんだなと思います。
最近の参考書は細かい所まで書いてくれてありますので、参考書一冊を何回もやりこむことが最短の道だと思います。
通信教育のメリットは、なんといっても「お金を払ったんだから、やるしかない」という状況に自分を追い込めることだと思います。
いや、もちろん内容的にわかりやすいところもあると思いますが、一番はそれかなと。
あとは、独学+誰かに少しだけ聞きたい...!って時には、母校の先生方を頼るのも手です。 卒業生が頼ってくるというのは、教員には嬉しいことみたいなので、たぶん快く教えてくれるのでは。
また、それ以外でも、学校が卒業生を対象に国家試験対策の模擬試験だったり講座だったりを開いていたりするので、ぜひ母校の情報をキャッチしてください。
なんにせよ、独学は可能。 というかほとんどの人は独学で勉強している状況です。
社会人でも 合格できる?
これも本人がどれだけ勉強できるかによってきますが、少なくとも合格している人はいます。
既卒の合格率0%じゃないですからね。
短大の先生と話す機会がありましたが、学生時代から勉強に取り組む姿勢があった人、栄養士として働きだして目標を持っている人は受かっているということでした。
逆に、なんとなくで受けている人は受かっていないそうです。
やっぱり試験に向けてある程度対策を立てて、実践できている人が受かるようです。
私も管理栄養士国家試験を受けていますが、あれはいくつ過去問を解いたかが勝負をわけるなと感じました。 そして勉強中はやたらくじけそうになるんですよね。 頭が良い悪いの問題でなく、そこを乗り越えられるかどうかかなと思いました。
まとめ
試験だけの難易度を見ると、しっかり勉強すれば合格できる試験です。
試験の難易度はそこそこかもしれませんが、受験資格を得るまでの間に座学も実務もがっつり学んでいますからね。
特に栄養士から実務経験を積んで管理栄養士を目指す人は、管理栄養士養成校新卒の管理栄養士より当然知識も経験もあります。 ですが、国家試験に通らなければ栄養士であり、新卒ちゃんが上司になることだってあります。
しょうがないこととはいえ、このギャップはお互いプラスにならないことがあります。
どちらも合格して、切磋琢磨できる環境をつくりたいですね!